住友林業の坪単価がいくらかといった疑問にお答えすべく、平均価格や年ごとの推移など最新データをもとに分かりやすく解説します。
目次
住友林業の坪単価はいくら?
では、さっそく住友林業の坪単価をみてみましょう。とはいえ、物件の階数や商品によっても坪単価は変動するので平均価格や住宅タイプ別などから解説します。
坪単価とは?
前提として坪単価とは、住宅の建設費用の総額を建物の延床面積で割って算出する金額を指します。延床面積は施工面積とも呼ばれますが、坪単価は以下の計算式より算出可能です。
計算式
建設費用総額÷延床面積(施工面積)=坪単価
なお、延床面積は建物の全ての階の床面積を合計した面積を指し、玄関ポーチ、ベランダ、バルコニーの面積は含まれません。施工面積は、延床面積に含まれない部分も加えられ、ハウスメーカーごとに独自に算出しています。
また、ハウスメーカーによって計算方法は異なりますが、他社よりも坪単価が安いことをアピール可能な施工面積で計算しているケースもありますので、比較する場合はご注意ください。
ちなみに、坪単価の「坪」についてですが1坪は畳2枚分の大きさを指し、国際単位系(SI)に換算すると約3.3㎡です。
住友林業の坪単価の平均価格
まず、住友林業の平均坪単価についてですが、2023年3月現在の最新データでは104.2万円と言われています。これは、住宅専門紙の住宅産業新聞がハウスメーカーランキングとして毎年6~7月に発表しているデータのため、2023年3月現在では、去年2022年6月に発表された前年2021年度の住友林業の坪単価が最新データというわけです。
参考までに、住友林業の平均坪単価が他の大手ハウスメーカーとどのくらい違うのか住宅産業新聞のランキング情報をもとに算出した結果を比較してみましょう。
2021年度ハウスメーカー別平均坪単価
ハウスメーカー名 | 平均坪単価 |
---|---|
住友林業 | 104.2万円 |
ヘーベルハウス | 107.5万円 |
積水ハウス | 104.5万円 |
ダイワハウス | 97.9万円 |
パナソニックホームズ | 93.2万円 |
セキスイハイム | 90.1万円 |
ミサワホーム | 87.2万円 |
ヤマダホームズ | 62.8万円 |
※表示価格は税抜き
このように住友林業の平均坪単価は、ヘーベルハウス、積水ハウスに次ぐ価格でヤマダホームズの62.8万円に比べると高いことが伺えます。
ただし、これはあくまで平均であり住宅を建てる地域や使用する住宅資材、設備などよっても異なります。また、同じハウスメーカーでも建てる住宅の構造によっても変動があるため、表の価格に囚われすぎてしまうと、実際に見積もりをしたときに大きな剥離が生じてしまいます。
このように、住友林業で家を建てた場合の一般的な坪単価とは異なり、極端な話、住友林業で豪邸を数十億円の豪邸を建てた方がいれば、当然、坪単価の平均値も吊り上げられるというわけです。他にも地域的な事情でいえば、北海道のように寒冷地仕様の住宅は、断熱材などの資材の使用率もアップするため、坪単価も必然的にあがります。
そういった事情も加味し、次項では一般的な情報として住友林業の坪単価を平屋、2階建て、3階建てに分けてみます。
住友林業の平屋の坪単価
調査してみたところ住友林業の平屋の坪単価は、2023年3月現在で80万円~90万円でした。この坪単価をもとに坪数ごとに本体価格を算出すると以下のようになります。
住友林業の平屋の坪数ごとの本体価格例
坪数 | 本体価格 |
---|---|
25坪 | 2,000~2,250万円 |
30坪 | 2,400~2,700万円 |
35坪 | 2,800~3,150万円 |
40坪 | 3,200~3,600万円 |
50坪 | 4,000~4,500万円 |
なお、住宅の本体価格は、建物のみの価格のことで、注文内容や土地条件などの影響は受けません。ただし、実際の費用は建物以外に、水道、ガス、電気といったインフラ設備や基礎補強、地盤補強などの補強工事などが別途発生します。
これらを含めると総額は、本体価格の20~30%程度プラスでかかると考えておきましょう。また、平屋の場合、2階建てに比べると屋根や壁といった基礎工事の割合が高く、面積も広くなるため、坪単価も高くなる傾向があります。
その他、注文住宅で部屋数を多くするなど、間取りが多いとその分、建築にかかる費用も増えますので、金額を抑えるのであれば、予算と照らし合わせながら、妥協案も考えておくがおすすめです。
住友林業の2階建ての坪単価
住友林業の2階建ての坪単価は、人気商品のひとつでもあるThe Forest BFを例にしてみると2023年3月現在70万円~80万円という調査結果でした。
The Forest BFは住友林業の商品の中でも本体価格が安い傾向にあるということで、他の住宅商品より割安になっています。平屋同様に坪数ごとに算出した本体価格は以下のとおりです。
住友林業の2階建ての坪数ごとの本体価格例
坪数 | 本体価格 |
---|---|
25坪 | 1,750~2,000万円 |
30坪 | 2,100~2,400万円 |
35坪 | 2,450~2,800万円 |
40坪 | 2,800~3,200万円 |
50坪 | 3,500~4,000万円 |
2階建て住宅は住友林業に限らず、日本においては戸建住宅のスタンダードタイプの構造のため、坪単価などの価格も先述の平屋や後述する3階建てと比較すると標準的と捉えることもできます。
住友林業の3階建ての坪単価
住友林業の3階建の坪単価は、先述の住宅産業新聞のランキング情報に近い価格であることが分かり、様々な情報から分析すると2023年3月現在100万円~110万円です。こちらも平屋や2階建て同様に坪数ごとの本体価格を表にまとめます。
住友林業の3階建ての坪数ごとの本体価格例
坪数 | 本体価格 |
---|---|
25坪 | 2,500~2,750万円 |
30坪 | 3,000~3,300万円 |
35坪 | 3,500~3,850万円 |
40坪 | 4,000~4,400万円 |
50坪 | 5,000~5,500万円 |
このように、平屋や2階建てに比べると価格は高い傾向ですが、3階建ての場合、工事を必要とするフロアが増え、足場などの仮設費用なども高くなります。また、耐震性を考慮した住宅施工を必要とするため、構造設計や資材も平屋や2階建てに比べると一般的には価格は高いです。
その他、3階建ては主に土地の面積が地方に比べて限定的な都心などで狭小住宅として建てられることが多いため、坪単価も割高であることが言えます。
ただし、表の価格以外にも、住友林業の3階建ての坪単価が平屋や2階建てと同等であるといった情報もありますので、価格交渉や営業努力などから費用を抑えられる可能性も十分あります。
住友林業の坪単価の年次推移
坪単価は住宅を建てる場合の予算の参考することもありますが、将来的にどのくらいになっているのかも気になるところです。そこで過去から現在までの住友林業の坪単価の年次推移をみてみましょう。
年 | 坪単価 |
---|---|
2012年 | 824000 |
2013年 | 852000 |
2014年 | 890000 |
2015年 | 930000 |
2016年 | 952000 |
2017年 | 979000 |
2018年 | 994000 |
2019年 | 1014000 |
2020年 | 1036000 |
2021年 | 1042000 |
2022年(予想) | 1088000 |
このグラフは、先述の住宅産業新聞の情報などを参考に2012年から2021年までの過去10年分と最新の予想坪単価を表しています。2022年は先述のとおり6月~7月発表のため、2023年3月現在は未発表で予想値です。
そして、ご覧の通り、住友林業の坪単価は右肩上がりで年を重ねるごとに上昇していて、今後もさらなる値上げも予想されています。
特に、昨今の長引くウクライナ情勢や新型コロナウイルスの影響は大きく、住宅業界にも大打撃を与えていて、物価上昇に伴う住宅資材の価格上昇で坪単価も値上がりの歯止めが利いていません。
これは、住友林業に限らず業界全体の問題でもあり、現在の坪単価が高いから住宅施工を見送ったとしても、値下がりはあまり期待できず、タイミングによっては、さらに価格が上昇していることも十分あり得ます。
住友林業を坪単価だけで選ぶリスク
ここまで住友林業の坪単価を様々な角度からみてきましたが、坪単価だけでハウスメーカーを決めてしまうのはリスクがあります。なぜなら次のような理由があるからです。
ココに注意
- 坪単価には一定の基準が存在しない
- 坪単価は注文住宅によって異なる
- 坪単価は本体価格しか比較できない
それぞれの理由を詳しくみてみましょう。
坪単価には一定の基準が存在しない
実は、坪単価には一定の基準が存在していないため、算出方法はハウスメーカーや工務店ごとに異なります。先述のとおり、使用される住宅資材や地域性での差が生まれているのは確かですが、法律的な縛りもなくハウスメーカー独自の基準で坪単価を出しているのです。
マンションのように景品表示法に基づいてハウスメーカー各社同等の計算方法で出している坪単価であれば、他社比較は分かりやすいですが、特に注文住宅のように独自に計算された坪単価の戸建てですと、簡単には比較できません。
坪単価は注文住宅によって異なる
注文住宅を例に挙げれば、注文内容によって仕様や価格が大きく変動します。仮にハウスメーカーが提示した仕様を基準に坪単価を計算したとしても、そのとおりに住宅を建てることはなく実際に施工して支払いが完了しないと正確な坪単価は分かりません。
予算次第では、いくらでも坪単価をあげることも可能で極端な話、同じくらいの土地面積でも一般的な住宅と豪邸では坪単価は全く異なります。
このため、先述で示した住友林業の坪単価だけで注文してしまうと、想像していた金額よりもはるかに上回って後悔してしまう結果になるリスクもあるのです。
坪単価は本体価格の比較しかできない
住友林業の階数別の坪単価でお見せしたように、坪単価は本体価格を比較するための目安にできるものの総額を比べるのは簡単にできません。
なぜなら、先述のように本体価格には家を建てる際に発生する基本的な工事費のみで水道、ガス、電気といったインフラ設備や基礎補強、地盤補強といった補強工事は含まれていないからです。
つまり、坪単価で計算された本体価格だけで費用をイメージしてしまうと、総額との金額差があまりにも大きく予算を遥かに上回る結果にも繋がりかねません。
住友林業の坪単価以外に参考にすべきポイント
前項では住友林業を坪単価だけで選ぶリスクを解説しましたが、これを回避するには、他にも参考にすべきポイントがあります。その一つがハウスメーカーの特徴を知ることです。
ぜひ、後悔しない家づくりのためにも、住友林業がどんなハウスメーカーなのか押さえておきましょう。
住友林業の特徴
住友林業は、木のスペシャリストとして国内外で森林を管理しています。国内では、北海道から九州まで総面積4.8万haの森林を保有し、苗木の生産体制を整備するなど森林経営も力を入れていることは有名です。また、海外では約23万haもの森林を管理しています。
このように広大な森林管理を行うことで、資源保護に努めながら安定的な木材の供給体制を作り上げているのです。そして、その木材は住友林業の住宅資材として家づくりに使用されています。また、住友林業の木を使った住宅はデザイン性が高いのも特徴的です。住友林業を選ぶパターンとしては、木の質感が決め手になったという声も多々あります。
その他、多くのハウスメーカーは、外壁材にサイディングを採用していますが、住友林業は吹付塗装での仕上げが可能です。これは、住友林業が得意としている和のデザインとの相性も良く、土壁のような質感に仕上げられる技術力として好まれています。
住友林業のメリット
住友林業で家づくりをするメリットのひとつとして、独自のBF構法(ビックフレーム構法)で広いリビングや大きな窓を取り入れられることがあげられます。ビックフレーム構法の強靭さを活かせるので、他社よりも家づくりプランの自由度が高いです。具体的には、従来の約5倍の太さの柱を採用して、天井高最大2.8m、大開口7.1mの広々空間も実現可能。
また、ミリ単位で設計の要望に応えられるのも住友林業の強みであり、設計が難しい複雑な形状の土地であっても有効活用ができ夢のマイホームを実現させています。従来の柱に比べて約5倍の太さを持つ構造材を使うことで、最大2.8mの天井高と7.1mの大開口をつくりあげています。
その他、多くのハウスメーカーが無垢床をオプション設定している中、住友林業は標準設定でフローリングの素材の選択の幅が広いです。これは、先述の力を入れている森林管理で天然木を内装材に使用可能であるなど木に強い企業努力の表れともいえます。
住友林業のデメリット
住友林業のデメリットは、他のハウスメーカーと比べて価格が高いことがあげられます。この要因は、主に住友林業がオプション付けることを前提に提案しているためです。もちろん、提案されたオプションを断れば価格を抑えられますが、住友林業の家づくり良さが失われ、先述のメリットの恩恵も受けられなくなってしまいます。
住友林業の良さは、オプションでデザイン性を高められることであり、自由度の高い拘りの住まい実現には、どうしても費用を要してしまうとことは理解しておくべきポイントと言えそうです。また、費用面での住友林業のデメリットとして見積もりに費用がかかることがあげられます。多くのハウスメーカーは無料見積りですが、住友林業の場合、契約前のプランと見積作成に申込金として5万円を支払わなければなりません。
そして、この5万円は、敷地調査や図面作成などにかかる実費扱いとなり、本契約をしなくても返金されませんので注意が必要です。
その他、メンテナス面では、一般的に外壁塗装を10~15年ごとに行うことを推奨している中で住友林業は、30年としていて一見長いようにみえますが、年数が長い分汚れが目立つという評価もあります。
このため、美観を保つ上で他のハウスメーカーの住宅と同じくらいのサイクルで再塗装しているケースも少なく、この部分にメリットを感じられないケースも少なくないようです。
まとめ:住友林業の坪単価について
以上、住友林業の坪単価について解説しました。坪単価がいくらかについては、お伝えのとおり下記のような最新データがあります。
ココがポイント
- 平均坪単価:104.2万円
- 平屋:80万円~90万円
- 2階建て:70万円~80万円
- 3階建て:100万円~110万円
また、住友林業の坪単価の年次推移をみてみると、2012年が82.4万円だったのに対して2021年は104.2万円と約10年で20万以上も値上がりしていることが分かりました。今後も更なる価格上昇が予想されています。
ただし、後悔しない家づくりのためには、坪単価だけに囚われず、住友林業の特徴を知り、他のハウスメーカーとの比較も重要です。
ぜひ、これらをご参考に夢のマイホーム実現の一歩としてお役立てください。